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事業(ビジネス)デューデリジェンス

ビジネスデューデリジェンスはビジネスDDとも呼ばれており、M&Aにおけるデューデリジェンスの中でも最初に行われるものです。売買先の強みや弱み、市場分析などを行うことにより対象会社の経営実態を把握します。ここでは、事業(ビジネス)デューデリジェンスで何を行うのか、どのような分析を行うのか等について解説します。

関連ページ:デューデリジェンスの種類>>

事業(ビジネス)デューデリジェンスの必要性

M&Aは多額の資金を投じるため、失敗すれば大きな損失が生じてしまいます。事業(ビジネス)デューデリジェンスは対象となる売り手企業の営業実態を調査し、売買契約決断の材料とすることを目的として行われます。

事業(ビジネス)デューデリジェンスで調査する内容は、主に以下の通りです。

売買契約前にこれらの調査を行うことにより、M&A失敗リスクを軽減することが出来るのです。

事業(ビジネス)デューデリジェンスは何をする?

事業(ビジネス)デューデリジェンスの進め方について、流れ順に紹介します。

外部環境分析

買収先の外部環境について分析するものです。外部環境としては、以下が挙げられます。

これらの外部環境は自社だけで解決するのは困難です。デューデリジェンスによって情報を収集し、買収先への影響について考察することが求められます。

外部環境分析の方法としては、PEST分析、5フォース分析が挙げられます。

内部環境分析

買収先の評価に関する内部環境を分析するものです。内部環境としては、以下が挙げられます。

これらの分析を行うことにより、事業価値評価や交渉への影響などを把握することが出来ます。

内部環境分析の方法としては、VRIO分析、バリューチェーン分析があります。

シナジー項目抽出

外部環境、内部環境分析を行うことにより、買収先の市場環境や買収先に与える影響を分析することができます。その後、買収先と自社とのシナジー効果、ディスシナジー効果を抽出する事により、事業同士の相性を明確化できます。

このとき、シナジーだけでなくディスシナジーの発現時期や頻度についても抽出することが大切です。

シナジー効果の定量評価・実現可能性評価

シナジー効果、ディスシナジー効果項目の抽出後は、各項目の定量化と実現可能性を考えます。

シナジー発生のための条件、投資コストなどを数値で表しましょう。このとき、実現可能性を高めるための施策の把握し、買収後に反映することも大切です。

事業計画の修正やバリュエーションへの反映

最後に事業計画の修正を行ってバリュエーションへ反映させます。シナジー効果による事業計画改善効果を含めてしまうと、シナジーが発揮できなかった場合に損失が生じてしまうためシナジー効果をすべていることは避けましょう。

事業(ビジネス)デューデリジェンスの分析手法

PEST分析

PEST分析は、「Politics(政治的要因)」「Economics(経済的要因)」「Social(社会的要因)」「Technology(技術的要因)」の頭文字から取って名付けられたものであり、外部環境分析方法の1つです。

法令や条例などの政治的要因、景気動向などの経済的要因、人口動態などの社会的要因、新技術開発や普及と言った技術的要因をチェックすることにより、M&A対象企業へ及ぼす影響を調査します。次に紹介する5フォース分析よりも広い視点での分析が行えます。各要因についてさらに詳しく見ていきましょう。

政治的要因

法律や条例の改正、政府・関連団体の動向などが政治的要因です。政治的要因で環境が変化すると、ビジネスに大きな影響を及ぼす恐れもあります。

経済的要因

景気動向や景気動向によって金利や物価、為替などが変化するものが経済的要因です。設備投資や雇用などに影響を与えるため、注意が必要です。

社会的要因

少子高齢化、晩婚化などのライフスタイル、価値観の変化が社会的要因となります。

技術的要因

新技術が出現すると、既存市場に大きな影響を及ぼす恐れがあります。これが技術的要因です。

5フォース分析

アメリカの経済学者が提唱した分析方法が、5フォース分析です。企業に対する脅威を5つピックアップして調査します。

先ほど紹介したPEST分析と比較して、経済・経営よりの分析方法となっています。

VRIOフレームワーク

対象企業の経営資源に対する市場価値を4つのポイントからチェックする方法であり、自社の強みを分析する目的でも利用されます。

買収先の持つ強みやサービスの有意性を確認することができます。

ただし、企業の経営資源などの市場価値が現時点で高く、希少価値があるものだっとしても、市場需要の変化や新技術の台頭などにより価値は大きく覆ることはあります。現時点の価値が永遠に続くわけではないということを考えなければいけません。

バリューチェーンモデル

5フォース分析と同じアメリカの経済学者が提唱した分析方法がバリューチェーンモデルです。

企業活動を主要活動と支援活動に分類し、プロセスにかかる価値やコスト、プロセス同士の繋がりを分析することで評価を行い、各部門の役割やビジネス全体の流れを把握することができます。

主要活動

購買・資材、製造、完成品の保管・配送、販売・マーケティング、顧客サービスなどが該当します。

支援活動

事業(ビジネス)デューデリジェンスを行えば
買収後の影響を事前に把握出来る

事業(ビジネス)デューデリジェンスによって買収先の調査・分析を行えばリスクを見逃すことなくM&Aの成功に繋げることができます。

事業(ビジネス)デューデリジェンスは自社で行うこともできますが、コンサルティングファームに依頼することで綿密なリサーチ、分析によるレポートを作成してもらうことができます。買収検討企業の動向をしっかりチェックするため、デューデリジェンスを外注することも検討してみましょう。

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