顧客デューデリジェンスは、カスタマーデューデリジェンス・クライアントデューデリジェンスなどとも呼ばれます。顧客の情報や履歴からリスク評価を行う方法で、企業を買収する際に欠かせない要素のひとつです。
ここでは顧客デューデリジェンスの必要性や実際の調査項目について解説しています。M&A、IPOを実施する際の参考にしてください。
顧客デューデリジェンスは、M&AやIPOを実施する企業のリスク評価に役立ちます。相手先の企業が抱える顧客にどの程度のリスクが存在するかを調査することで、自社が受ける損害やリスクを減らすことができます。
近年世界的な問題となっているマネーロンダリングやテロ資金供与などのトラブルは、一般の顧客の間で行われています。
そうしたリスクのある顧客が含まれていないかを洗い出し、取引内容をチェックすることで、将来的なリスク評価や現時点で必要な措置を判断できるようになります。
マネーロンダリングのような犯罪とは別に、顧客自身がリスクを抱えているケースもあります。支払いの延滞やその他のトラブルが起きた顧客は、取引履歴からチェックできます。
企業を買収する際、少しでもリスクを把握して低減するためにはリスクのある顧客の把握が欠かせません。
金融業など、顧客ごとの管理を厳重に行わなければならない業種では、M&AやIPOの前に金融庁ガイドラインに沿った取り組みが必要です。
金融庁では、マネーロンダリングを含めたさまざまな顧客リスクに対して、独自のガイドラインを策定しています。
その中のひとつが「顧客管理(CDD)」であり、CDDでは顧客デューデリジェンスを「カスタマーデューデリジェンス」と位置づけ、個々の顧客に着目し、取引の内容等を調査してリスク評価の結果と照らし合わせるべきとしています。
顧客の年代・所在地などといったプロフィールのほか、所在地や取引を行っている場所、年収や職業などの属性を調査します。
リスクの高い顧客が見つかった場合は、リスクの低い顧客とは分けて管理する必要があります。取引に係っている国や地域、住所変更履歴なども確認しなければなりません。
顧客が行った取引履歴は、リスクの高い顧客を中心に細かくチェックしていきます。
特にハイリスクな取引履歴については、トラブル発生の有無やカスタマーサポートとのやり取り、問い合わせ履歴なども参照し、取引のリスクや問題点を確認します。
取引において金銭の支払いが発生した場合は、支払い状況を確認します。借り入れを行ったにも関わらず返済が行われていない、長期にわたって滞ったようなケースがないかどうかを確認しましょう。
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M&Aにおいて必要不可欠とされるデューデリジェンス。調査の内容は各社によってさまざまですが、自社に適切な選択をすることが成功への近道です。
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