M&A仲介、FAS、M&Aアドバイザリー、M&Aコンサルなど、M&Aにおいて、さまざまなサポート会社を目にしますが、これらの会社は、それぞれどのような役割や特徴があり、どのような違いがあるのでしょうか。各社の特徴と違いについてまとめています。
M&A仲介会社は、その名の通り、売り手と買い手の間に入って、M&Aを成約させるための仲介業務を行う会社です。
M&A仲介会社の重要な役割として、売買先のマッチングがあります。独自のネットワークを活用して、短期間で相手先を探してくれます。また、M&Aがスムーズに進むようにスケジュールを立て、予定通り進むよう、管理・調整も行うのも仲介会社の仕事です。
M&A仲介会社の一番の特徴は、売り手と買い手、それぞれに対して中立的な立場にいるという点です。どちらか一方の利益だけを求めたり、どちらかの利益が最大化するのを目指したりするのではなく、両者の条件をすり合わせ、利益バランスを考慮してM&Aを行います。また、両者の間に入るため、売り手と買い手の双方から手数料を受け取ることができます。
FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)は、クライアントに対して財務関連のアドバイスやコンサルティングサービスを提供すること、もしくはそれを行うチームや会社のことをいいます。
M&Aにおいて、クライアントにアドバイスを行うのはFAです。FAと仲介会社の違いは、仲介会社が売り手と買い手の間に入り、中立的な立場を取るのに対し、FAは、どちらか一方の専属となって、その企業だけの利益の最大化を考えるという点です。
一方の企業のみの利益を追求していくため、場合によっては、相手側に過度な要求を行い、交渉がまとまりにくくなったり、成約までに時間がかかったり、破談になってしまうというケースもあるようです。
M&Aアドバイザリーとは、M&Aの専門知識を持ち、M&Aによる利益最大化のためにアドバイスをしたり、実務面をサポートしたりする業態のことで、アドバイザリー業務を専門に行う会社は「M&Aアドバイザリー会社」と呼ばれることもあります。
M&Aアドバイザリーは、クライアントである買い手、または売り手の利益を最大にすることを目的としています。
買い手側の利益の最大化は、適正な価格水準で、金額以外の条件が妥当であること、両社のシナジーを追求できるように引き継げることにあります。
売り手側の利益の最大化は、売却金額と税引き後の手取り金額が高くなること。また、金額以外の面でも、最終契約の段階で不利な条件を入れられないように注意しなければなりません。
M&Aに関する相談、調査、交渉、調整など、M&Aに関するさまざまな業務を提供しています。業務内容を見ると、M&A仲介会社と変わらないように見えるのですが、仲介会社が売り手と買い手の間に立ち、中立的な立場を取るのに対し、コンサルタントはどちらか一方の側についてサービスを提供するという点が異なります。
また、M&Aコンサルタントは「M&Aアドバイザー」と呼ばれることもあります。アドバイザーはアドバイスを提供する人、アドバイザリーはアドバイスというサービスそのものを指すため、M&AコンサルタントとM&Aアドバイザーはほとんど同じ意味であると考えられています。
案件の組成が得意なところもあれば、デューデリジェンスをメインに行っているところもあるので、必要な内容に応じて、その分野を得意としているコンサルタントに依頼するのが安心です。
M&Aにおいて必要不可欠とされるデューデリジェンス。調査の内容は各社によってさまざまですが、自社に適切な選択をすることが成功への近道です。
当サイトではM&A成功の鍵を握るデューデリジェンスにおいて、買い手企業が知っておくべき内容をまとめました。デューデリジェンスの依頼先となるコンサル会社や監査法人系FASの選び方についても紹介しています。ぜひご覧ください。