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FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)

このページでは、FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)とは何なのか、どのような業務を行うのか、同じような業務を行うIBDやコンサルティングファームとは何が違うのかについて解説しています。

FAS(ファイナンシャルアドバイザリー)とは何かを解説した画像

FAS(ファイナンシャルアドバイザリーサービス)とは

FASは、Financial Advisory Serviceの略で、クライアントに対して財務関連のアドバイスや、コンサルティングサービスを提供すること、もしくはそれを行うチームや会社のことをいいます。FASの具体的な業務内容としては、以下のようなものがあります。

M&Aアドバイザリー業務

事業、企業の買収、売却や資本提携などのM&A全般のアドバイザリー業務。M&A戦略の立案支援、対象企業のスクリーニング、アプローチ、ディールマネジメント、交渉サポート、クロージング支援などを行います。

バリュエーション(企業価値評価・知的財産評価・会計目的評価)業務

M&Aや企業・事業再編などを行う際に、顧客企業のニーズに合わせた、価値評価サービスを提供する業務。企業・事業などの価値評価、PPA(取得原価の配分)、無形資産評価、優先株や新株予約権の評価などを行います。

財務を中心とした、デューデリジェンス業務

M&Aディールの価値を最大化するために、財務、税務、法務、ビジネス、人事などの項目を評価すること。FASではとくに、財務デューデリジェンスが多くなります。

事業再生コンサルティング

業績不振や資金不足に陥った企業に向けて、業績改善、財務再構築、資産売却、事業再編などのアドバイザリー業務を実施。事業計画・再生計画の策定支援、実行支援・モニタリング支援、ステークホルダーとの交渉支援、企業・事業再編支援などを行います。

フォレンジック(不正調査・係争分析)

不正・不祥事など、有事の際に行う調査、報告、再発防止策の立案や、不正・不祥事等のリスク把握、防止体制の構築支援など。不正会計、粉飾決算、横領、背任等の調査・報告、不正・不祥事等のリスク評価、防止体制・モニタリング体制の構築支援、法規制遵守体制の構築支援などを行います。

FASとIBD、コンサルトの違い

FASの業務内容のひとつに、M&Aに関するアドバイザリー業務がありますが、この業務はFASだけでなく、IBD(投資銀行部門)やコンサルティングファームでも行っています。これらの業態とFASでは何が違うのでしょうか。

IBDには証券会社の免許(登録)が必要であり、買収資金の調達スキームを踏まえた上でのアドバイザリーが可能です。また、組織的にグローバル案件や複雑な大型案件に対応するスキルを持っているという特徴があります。その一方で、買収後のPMIのようなサービスについては、あまり行われないことが多いようです。

コンサルティングファームは、M&Aアドバイザリーそのものを業務としているのではなく、事業戦略を行う中でのアドバイスとなるため、資金調達やデューデリジェンスなどを行うことはありません。

FASは、証券会社の免許を持っていないので、資金調達に関わるところについては、深く関わることができませんが、監査法人がバックについているので、デューデリジェンスやバリュエーションなどのサポートが得意で、買収後のPMIなどについても積極的に行っています。

FASとM&A仲介会社どちらに依頼をするのか

FASに依頼をするといい場合

会社の規模や業績が一定の水準に達している会社は、譲受会社を見つけることが難しくはないでしょう。

そのため、クライアント側の譲渡企業にとって、より良い買収条件を引き出してくれるFASは適している選択といえるでしょう。

M&A仲介会社に依頼をするといい場合

売り手企業の売り上げ規模が小さくなり、財政状況が厳しくなるに従って、買い手を探すことが難しくなります。

その場合、まずは買い手を見つけることが必要でしょう。

中規模の会社の場合は、中小企業の売り上げの記録を多く保有している仲介業者の方が適しているといえます。

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