対象企業の規模や事業内容、調査の範囲によって異なりますが、通常、デューデリジェンスを行う場合、1~2カ月の期間を要します。しかし、デューデリジェンスにこれだけの時間がかけられないというケースや、本格的なデューデリジェンスの前に事前調査として行いたいという場合に、簡易デューデリジェンスが行われることがあります。簡易デューデリジェンスの特徴についてまとめています。
一般的なデューデリジェンスは、M&Aの基本的合意契約が締結された後のタイミングで、次のような流れで行われます。
デューデリジェンスに要する期間は、対象企業の規模や事業内容、調査の範囲によって異なりますが、通常、資料やデューデリジェンスの準備に2週間、調査・聞き取りに数日~2週間、調査結果の分析・中間報告に1~2週間、最終報告・追加分析に1~2週間の時間がかかるといわれ、全体で1~2カ月ほどの時間が必要になります。
しかし、場合によっては、デューデリジェンスにこれだけの時間をかける余裕がない、規模が小さくリスクの少ないM&Aで、必要な項目だけを調査したいというケースもあるかもしれません。そのような場合に有効なのが、簡易デューデリジェンスです。
簡易的デューデリジェンスとは、リスクの高い領域だけに調査を限定したり、報告書を簡素化したりすることで、時間や費用を大幅に抑えるというものです。
簡易デューデリジェンスの用途としては、買い手企業が、複数の候補企業の中から、適したターゲットを選定しようとする段階はもちろん、ターゲットを選定した後の、正式なデューデリジェンスを行う前の事前調査として用いられる場合があります。
また、オークション取引の際における、インフォメーション・メモランダム(売却対象の企業や事業などに関する詳細な情報を記載した資料)など、限られた情報に基づいて行う作業も、簡易デューデリジェンスに該当します。
とくに近年は、簡易的な事業デューデリジェンスの必要性が増加しているといわれています。事業状況が変化し続けている状況においては、作り込まれた、重厚感のある戦略よりも、短期サイクルで、スピーディーな意思決定をサポートする簡易事業デューデリジェンスのほうが適している場合もあり、状況に応じた使い分けが求められます。
M&Aにおいて必要不可欠とされるデューデリジェンス。調査の内容は各社によってさまざまですが、自社に適切な選択をすることが成功への近道です。
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